現在、建材であるレンガブロックの市場は、焼成レンガと不焼成セメントブロックの2種類に別れています。
特に、近年二酸化炭素の排出量低減や燃料源のコスト高騰の観点から、焼成から不焼成への転換が世界的に検討されています。
日本では、以前よりセメントブロックの製造が行われていますが、セメントは強アルカリ性であり、また極めて強い毒性をもつ六価クロムの含有などさまざまなデメリットを抱えています。
ジオデックスを応用することで、いままでのセメント系不焼成タイプとは全く異なる、世界で始めての不焼成レンガの商品化に成功しました。
従来の不焼成レンガブロック(インターロッキング)には、セメントが使用されています。
しかしセメントをバインダーとするレンガブロックには下記のような様々な問題点も指摘されています。
[問題点]
➀ セメントは強アルカリ性を有する
➁ 白化現象を生ずる
➂ セメントに含有されている有害物質六価クロムの問題
➃ 酸性雨による劣化現象
➄ 経時による色相の変化
今回我々の開発したレンガブロックの製造方法の特徴は、固化バインダーとしてセメントに変わるバインダー(ジオデックス)を使用することである。
しかもそのバインダーはいままでは廃棄物として廃棄・焼却されていたものであり、これにより、すべての原料が廃棄物材料からなる100%リサイクルの不焼成レンガブロックであることである。(特許出願済み)
[特徴]
➀ 製品は中性である
② 白化しない
➂ 重金属等の有害物質を含まない
④ 耐アルカリ性
➄ 経時による色相変化がない
⑥ 各種着色が可能
➆ 軽量化が可能
[製品としての特徴]
・ 軽量化が可能である。(基準品は通常の焼成レンガの50~60%の重量)
・保水性に優れており、ヒートアイランド現象の緩和に効果あり。
・カラーコーディネートが可能であり、白化しない。(各種着色が可能)
燃焼レンガと不焼成ミュークレンガの製造工程でのイベントリー分析を実施し、製造各工程での使用エネルギーに基づき、燃焼レンガとミュークレンガの排出されるCO2を算出しました
レンガ1個あたりのCO2排出量は、従来の6分の1となり、環境に易しいレンガである。
焼成レンガを不焼成レンガに置き換えた場合、
どのくらいの環境改善に寄与できるのかを具体例で換算した場合
[A重油換算]
レンガ10,000個を焼成から不焼成に製造過程を変更したと仮定した場合
CO2削減量は10900kg
と、試算されます。
これをA重油の使用量で換算すれば
A重油は1Lあたり2.80kg-CO2であることから
10900kg÷2.80kg/L=4,000L
となりレンガ10,000個製造する際に4000Lの石油の消費を削減することになります。
実際に、焼成レンガは焼成燃料としてA重油を使用しており、これを不焼成に切り替えた場合、重油消費量が削減されます。
現在焼成赤レンガは、現在約4,000万個/1年生産されてます。もし、現在の赤レンガをすべて不焼成に変換した場合を仮定すると
年間で16,000kLの重油の消費が削減されることとなります